月曜 14:45~18:00
木曜 16:30~18:00
金曜 18:00〜21:30?
elevated railway 2,3,6,9番街
「八十一丁目――降りる方を先にお通しください」青い制服の羊飼いが叫んだ。市民の羊の群れがわれ先にと這って出て、また別の群れがわれ先にと這って入った。カーン、カーン! マンハッタン高架鉄道の家畜車両はガタゴトと走り去った。『振り子』
horsecar 6番街、8番街など
警官の目に留まったのは、半ブロックほど先で路面馬車をつかまえようとして追いかける男だった。警官も警棒を抜いて、その追いかけっこに加わった。ソープィーはうんざりした気分で、とぼとぼと歩きだした。またしても失敗だ。『警官と讃美歌』
ブロードウェイ
午後の涼しいひととき、マドモアゼル・アデールというエアリアル・ルーフ・ガーデンの人気のショーガールが、その窓辺に腰を下ろして風に当たっていた。『ネメシスと菓子売り』
The Little Church Around the Corner
1番街29丁目
ところが、やけに静かな一角で、ぴたりと立ち止まった。古い教会があり、風変りで、ちぐはぐで、屋根は三角だ。『警官と讃美歌』
Patchin Place 西10丁目、6番街とグレニッチ街の間
ウエストサイド、六番街と七番街のあいだ、一本の路地が街区の中程を切り分けるようにして通っている。路地は街区の中心まで伸びたところで途絶える。その一角はまるで演劇の舞台だ。住人は数多の国から溢れ出したあぶく。空気はボヘミアン、言語は様々、土地柄は不安定。 その路地の突き当たりの穴倉みたいなところに菓子売りの男は住んでいた。『ネメシスと菓子売り』
Municipal Building 260ブロードウェイ
この三カ月というもの、ブランバーガーはずっと新しいシティホールの設計図に取り組んでいました。懸賞金付きの公募があったものでしてね。そして昨日、ようやく墨入れが終わりました。製図士は、最初は鉛筆で描きますからね。そうやって描いたあと、ちぎった古いパンで鉛筆の線を消すんですよ。消しゴムよりよく消えますから。『魔女の差し入れ』
コネティカット州ハートフォード
「こいつぁイェールの学生で、ハートフォードのカレッジに0をお見舞いしてやったって、お祭り騒ぎしてんだ。うるさいけど害はねえ。こいつらのことは、ほっとけって指示が出てるから」『警官と讃美歌』
バワリーなど
若い女がひとり、感じのいい控えめな装いでショーウィンドウの前に立ち、髭剃り用マグカップとインクスタンドに、じっと見入っており、その二ヤード先にはいかめしい大柄な警察官が消火栓にもたれ掛っていた。『警官と讃美歌』
夕食にはポットローストと、革製品に使っていただいてもひびや傷はできませんとの保証付きのドレッシングであえたサラダと、じっくり煮こんだルバーブと、化学物質無添加を謳うラベルの表示に赤面しているストロベリー風味のマーマレードの瓶が並んでいるだろう。『振り子』
wild goose 全米(冬季限定)
雁が夜分高らかに鳴くとき、アザラシの毛皮の外套を持たない女たちが夫に優しくなるとき、ソープィーが公園のベンチでもぞもぞと動くとき、冬はすぐそこまで来ている。『警官と讃美歌』